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2021.05.18】 【広報インタビュー】#8 中川真生哉『伸びしろしかない』

加入1年目ながら公式戦・トップリーグ2021全試合に先発出場したルーキーが頼もしい。

南アフリカ代表のモスタート選手とロックを組み、

チームの年間アワードで新人賞を獲得した中川選手にインタビューしました。

華やかに見える活躍の裏では、無名校出身のコンプレックスと闘いながら、

愚直に、ひたむきに、貪欲に、もがき続ける姿がありました。

 

 

Q.まずは入社して1年経ちました。振り返ってどうですか?

シーズンに入ったらあっという間でした。

最初の方は緊張で身体が全く動かなかったんですが、(笑)

1試合1試合やれることが増えてきました。

第2節のサントリー戦が終わったときくらいから、ようやく悪い緊張が取れてきたと思います。

 

Q.開幕戦のことを聞かせてください。

ガッチガチ緊張してて試合のことをあんまり覚えてないです。(笑)

まずカウントダウンがあるじゃないですか?あれで「おぉ、いよいよ始まるんだ。」と(笑)

 

Q.第3節のトヨタ戦はどうでしたか?

今まで戦った中で一番強かったんじゃないかと思うくらい何もできなかったです。

僕自身アタックがうまくなかったので返される場面が多く、何回もひっくり返されて…

でもその経験があったからこそ自分の課題が見つかって、それ以降かなりアタックの練習をしています。

 

 

Q.シーズン通して通用したなと感じる部分は?

最初は本当に何も通用しなかったです。

試合を重ねる毎に、ラインアウトができてきたとか

ディフェンスで身体を当てれるようになってきたとか、

アタックで少しだけ前に出れるようになってきたとか。

何か突出したところがあるわけではないので、

通用したというよりは1個1個の試合で少しずつ学んでいる状態です。

 

Q.一番伸ばしていきたい部分は?

それも全部なんですけど、

今一番課題としているのはボールキャリーの部分です。

今まではまっすぐ当たることしか頭になかったんですが、

少しのテクニックで前に出れるようになったので

それを必死に練習中です。

 

Q.アタックについてはここ数試合、特に三菱重工戦はかなり良くなってきたと感じます。

僕自身、シーズンの最初は自分が試合に出ている理由はラインアウトだと思っていたので

ラインアウトにしか意識がいっていませんでした。

アタックがうまくいくようになったきっかけは、

意識していなかった所を意識するようになったからかなと思います。

 

 

Q.次にメンタル的な部分で、チームに入った時と今とで気持ちの変化はありますか?

最初は絶対に試合に出たい!という気持ちしかありませんでした。

周りが明治とか帝京とか強豪校出身の選手ばかりで、

その中で日体大出身の自分がいて最初はすごく負い目を感じていました。

ウエイトトレーニングとかはすぐに数値が上がるものではないので、

とにかく数をやるしかないなとか。

ラインアウトも自分ができることはなんだろうと色々考えました。

(入ったばかりで)間違いなく戦術の理解は一番無いので

周りの人にとにかく聞いて明確にしないといけない。

とにかく試合に出るためにやれることは全部やろうという感じでした。

今はやっと試合に出れるようになって、

自分がやってきたことが間違いじゃなかったなと思っています。

練習中は自分が一番下手だなと思いながら、ハングリーにチャレンジしていて、

でも試合中はみんなの代表として出ている分、自信を持って戦うように意識しています。

 

Q.実際に自信はついてきましたか?

正直そんなについたわけじゃ無いです(笑)

シーズンが始まる前はもちろん、開幕してもしばらくは自分にしかフォーカスできていませんでした。

そこからやっと周りが見えるようになってきて、

サポートも少しずつできるようになってきたかなとは思いますが、全然まだまだです。

 

 

Q.どんな選手になりたいですか?

フランコ(・モスタート選手)が運動量系のロックじゃないですか。

目指す方向性はそっちなのかなとは思っています。

僕は身長がめちゃくちゃ高いわけでは無いし、パワーがすごいわけでも無い。

なので平均的に全て高い仕事人タイプのロックになりたいです。

いずれフランカーもできるくらいの運動量がつけばいいなと思っています。

 

Q.コロナ禍で難しいシーズンだったと思いますが、チームに馴染むために努力したことはありますか?

9月、10月くらいまではチームに馴染むなんて感覚がなかったです。

(コロナ禍で)みんなで集まってワイワイする場面もなかったので、余計にそう感じたのかもしれません。

練習試合が入ってきて、戦術の話し合いなどをするようになって

先輩たちも気にかけてくれる話してくれるようになって・・・

でも公式戦に出るようになってからやっとですかね?

ようやくこのチームで必要としてもらってるのかな?と感じるようになりました。

 

Q.今のチーム環境はどうですか?

試合の度に、練習の度に先輩たちがいろいろと教えてくれるのですごく助かっています。

「今日よかったな」とか「あれ出来てなかったよ」とか。

先輩だけじゃなく同期もすごくサポートしてくれます。

自主練でも先輩から声を掛けてくれて、僕の出来てないプレーの練習に付き合ってくれたりします。

今までそうやって周りが教えてくれることがあまりなかったし、、

自分では気付けない事に気付けたりするので、

試合に出れてたのは、そのサポートのおかげと言っても過言ではありません。

 

Q.やはりトップリーグの試合は大学とは違いますか?

そうですね。でも今年はファンの方との交流がないので、実感も少なかったです。

やっぱり「応援してるぞ」とかいってもらえると嬉しいですよね。

せっかく観に来てくれてる大学の友人などもいるので

握手をして応援してくれることに直接お礼を言いたいです。

 

 

Q.今シーズンの新人賞を獲得した気持ちと今後の抱負をお願いします。

チームの新人賞をもらえたことはとても嬉しいです。

また、今シーズン全試合に出れたことも嬉しく思います。

しかし、この結果にまだ満足はしていません。

僕にとってそれはやっとスタートに立てただけだと思っています。

来シーズン以降も試合に出続けることに意味があると思うので、

新人の気持ちを忘れずに頑張りたいと思います!

 

 

取材日:2021年4月21日、5月16日

(取材・文:中田裕人広報)

 

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【広報インタビュー】#7 ショーン・トレビー『強い気持ち』